「新車より数十万円も安い!」「中身は新車と同じ!」 中古車販売店の軒先でよく見かける**「登録済み未使用車」**。
納期が早くて価格も安い。一見、メリットしかないように思えますが、自動車業界の裏側を知る人間からすれば、手放しでおすすめはできません。
結論から言いましょう。**「納車まで待てる余裕があるなら、絶対に新車を買うべき」**です。
なぜ、そこまで言い切るのか。未使用車という言葉の裏に隠された「現実」を解説します。
1. 未使用車の正体は「登録済み放置車両」である
「未使用車」という響きは良いですが、実態は**「ナンバー登録だけされて、どこかの駐車場に置かれ続けていた車」**です。
新車は、注文が入ってからメーカーの工場を出荷され、厳重な保護シートに包まれた状態で届きます。しかし、未使用車は違います。
ディーラーの在庫調整や実績作りのために登録され、その後、数ヶ月から半年、長いときは1年以上も屋外のモータープールに放置されているケースが珍しくありません。
2. 「屋外放置」がもたらす塗装へのダメージ
ここが、一般の方が最も見落としがちなポイントです。ほとんどの未使用車は屋根のない屋外に並べられています。その間、車体は常に以下の脅威にさらされています。
- 鳥糞と花粉: これらは強烈な酸性や粘着性を持っており、長時間放置されるとクリア塗装を浸食します。
- 鳥の爪痕: 屋外に停まっている車に鳥が止まれば、鋭い爪で小さな傷がつきます。
- 紫外線の恐怖: 直射日光を浴び続けることで、ゴムパッキンは硬化し、特に**「赤」や「黄色」といったソリッドカラーは、新車時に比べて明らかに色褪せている**個体もあります。
「走行距離が数キロだから新車と同じ」というのは、あくまで機械的な話。外装に関しては、すでに「中古車」としての劣化が始まっているのです。
3. 新車でも「修理」されていることがある?
ここで少し、業界の裏話をお伝えします。「じゃあ新車なら100%完璧なのか」と言われると、実は極稀に例外があります。
新車が工場で作られ、積載車に揺られてディーラーに届くまでの間に、飛び石や作業ミスで小さな傷がつくことがあります。その際、メーカーやディーラーの工場で**「軽微な板金修理」**が行われてから納車されるケースが(極めて稀ですが)存在します。
もちろん、走行や安全性に影響のないレベルの修正ですが、「新車=一度も塗装をいじっていない」とは限らないのがこの業界の奥深い(恐ろしい)ところです。
4. 結局、どっちを買うべきか?
判断基準は非常にシンプルです。
- 新車がおすすめな人:
- 3ヶ月〜半年程度の納期を待てる。
- 色褪せや見えない塗装ダメージのない「真のまっさら」が欲しい。
- 自分の好きなオプションを1から選びたい。
- 未使用車でも良い人:
- 今の車が故障して、明日にも車が必要。
- 塗装の細かい傷や経年劣化よりも、とにかく「初期費用」を抑えたい。
まとめ:プロは「新車」の満足度を推す
「安さ」には必ず理由があります。未使用車が安いのは、それだけ「放置されていた期間」というリスクを負っているからです。
数万円、数十万円の差額と、これから5年10年と付き合う愛車の「コンディション」を天秤にかけてみてください。もしあなたが車を大切に長く乗りたいのであれば、私は自信を持って**「新車をオーダーして、届くまでの時間をワクワクしながら待つ」**ことをおすすめします。

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